新しい家の庭を考える方、庭の見直しを考える方、それぞれに“その時”の暮らしの中で、庭の在り方をご検討されていらっしゃいます。
IeNiwa工房では、もちろんその様なお客様のご要望をお伺いした上で、“これからの暮らし”“次の世代”までを配慮したご提案をする場合があります。
今回は、その1例として、デザイナーの加瀬の、“暮らし方と共に進化する庭”という提案をご紹介します。
IeNiwa工房デザイナー 加瀬 賢治
今年の国際バラとガーデニングショーに『日本一のバリアフリー設計士』なる挑戦として車椅子でも楽しめる庭をテーマに出展をし、入賞。
「お客様から後々はサンルームをつけたいなどの要望を聞くのですが、家を建てた直後はなかなかその資金がない方がほとんどです。
テラス屋根によっては将来的にサンルームに変更できるものもあります。
だからこそ将来やりたいことを見込んだプランニングをすることで、将来ロスの少ない方法で庭を変えていくことができます。
それが自分の世代だけでなく、受け継ぐ世代のためにもなります。」
では、それぞれの世代特徴から見ていきましょう。
子世帯の特徴
・外で安全に遊べる場所が減ってきており、土にさわる機会も減少。
・庭があれば小さい頃は外で走り回ったり、砂遊び、プールなどで遊ぶ。
・幼稚園・保育園などでは、畑での野菜作りに力を入れているところも増加。
・大きくなるにしたがって、一人遊びが少なくなり、友達を呼んで遊ぶようになり、中学になれば庭で遊んだりすることはほぼなくなってくる。
親世帯の特徴
・共働きのご夫婦や子供がまだ小さいご夫婦は、庭の手入れにはなかなか手が
まわらない。
・せっかくの休日には子供と遊んだり、友人を呼んでBBQをしたい方は多くみられる。
・仕事から帰ってきたらゆっくり癒される空間が欲しいという方も。
祖父母世帯の特徴
・健康を気にする年代。
・若いころ出来なかった趣味を楽しむ方が増えている。
・定年を迎え、まとまった時間が取れるようになり、適度な運動のためにも、自宅の庭でちょっとした家庭菜園やガーデニングをやる方が増えている。
・畑で無農薬野菜を作って安全な食生活をしたいという方も。
・重労働は出来なくなるので、自宅の庭はあまり手が掛かり過ぎると困る。
これらを踏まえて、子供がまだ小さいうちは…
子×祖父母世帯
子供の遊び・学びの場。
世代を超えた遊びには、新しい学びがある。
祖父母と一緒に菜園で育てることを楽しみ、それを頂く有り難みを体感。
『テラス屋根と芝生と菜園のある庭』
芝生にしておけば子供が転んだ時でも怪我をしにくく、夏の照り返しなどからも守ってくれます。
おじいちゃんおばあちゃんにとって家庭菜園はお孫さんとのコミュニケーションの場に。
ゲームは一緒にできなくても土いじりは一緒に楽しめます。
ちょっと疲れたら屋根の下で一緒におやつタイム。
育てた野菜で週末BBQ。
普段忙しいお父さん・お母さんも子供の成長が感じられます。
テラス屋根があれば、夏場は屋根の下でプールで遊んだり、
日射を遮ることも。
洗濯物も屋根の下で干せれば雨の時でも一安心。
【特徴】
共働きで忙しい両親でも、祖父母の存在があれば安心。
孫との時間を過ごすことにより、祖父母の精神的・体力的な活性化
無理の無い、程よいサイズの菜園でゆったり楽しむ。
または、核家族の場合…
子供の遊ぶプレイルームに。子供にとっては友達を呼んで秘密基地感覚のわくわく空間です。
適度に日の光を浴びて、風を肌で感じることも出来ます。
夏には、屋根の下で強い日差しを避けながら、プールだって出来ちゃいます。
リビングからつなげることで空間に広がりができるのも嬉しいですね。
また、お子様が外で遊ぶ時は、お母さんはサンルームの中で見守れるので、紫外線対策にも最適です。
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そして、子供が大きくなったら…
親×子世帯
“庭で遊ぶ”というよりは、“庭に集まる”という空間へ。
テーブルや椅子を出せば、大勢でのランチ会やおやつパーティーが開催でき、親の目の届く所で、子供達が楽しめる。
『サンルームとレイズドベッドのある庭』
子供が大きくなり庭で遊ぶこともなくなり、年々庭のお手入れも大変になってきたら、メンテナンスがかからないように芝や大きな家庭菜園はなくして自分ができる限りの最小限のスペースに。
テラス屋根からサンルームに改造すれば、庭との繋がりをなくすことなく、もうひとつの部屋として、大人も子供も使える空間に変わります。
【特徴】
日中は編み物や読書、お友達とのティータイムに。
適度な日光浴で、健康維持に欠かせないビタミンD生成。
ガーデンライトを設置すれば、雰囲気のいいお店の様な空間に。
または…
趣味の編み物や裁縫、絵画、読書などを楽める大人のわくわくスペースに。
壁にカウンター台を設ければちょっとした作業スペースにもなるなど、アトリエの様にお好みにカスタマイズするのもいいですね。
椅子やテーブルを出してカフェ風な空間を楽しみながらお友達とお茶を飲んだり、週末は家族と一緒にBBQ、夜はご夫婦2人、バー感覚で『お疲れ様』と、乾杯をする特別な時間を。
更に、
何より、お孫さんや家族が愉しく集まる空間に最適!
日常生活では、洗濯物を庭や2階のベランダではなく、室内から段差の無いサンルーム内に干すことが出来て洗濯が嫌な仕事になりません。
出先で雨が降られても安心!という特典もあります。
高さを上げた花壇(レイズドベッド)なら、腰をかがめる必要がなく、庭仕事が楽しめます。
車椅子からでも作業ができ、反対側からは立って作業できる高さに。外に出て植物のある暮らしを楽しむことが、健康寿命を延ばす秘訣です。
車椅子になった場合、玄関から家の中に入ることはなかなか難しいことも。
庭からの出入りに動線を変えて、ゆったりスロープや昇降機を設けることで、デッキを経由して家の中まで入ることができます。
(サンルームを車椅子置き場としても活用できます。)
これらの工夫は、
“歳をとって、大変だから、庭に出ない。使わない。”
ではなく、
“歳を重ねたからこそ、無理なくカラダもココロも動くよう庭を有効活用する。”
という、健康寿命を延ばす秘訣を盛り込んでいます。
これからの可能性を配慮して、最初から全てを施工するというより、
“進化することを見越して今の暮らしに合うところから始める”。
そうすることで、その暮らし方の変化に合わせて改修する際に、無駄のない施工がしやすくなります。
この様な、住まい手と、未来の住まい手どちらかが何かを我慢するのではなく、両者が喜ぶ家、わくわくする暮らしを、一緒に考えていけたら、と思っています。
是非、一緒に寄り添わせて頂けたら嬉しいです。
相模原市・藤沢市の住宅リノベーション&ガーデンのトータルコーディネイトで『わくわくする自分がいる暮らし』を叶える相陽建設『IeNiwa工房広報たより』でした。