10月に入り、日中にも秋を感じるようになってきたな、と思っていたら、すっかり秋めいて、朝晩は肌寒さすら感じるようになりましたね。
そろそろ、着るものの冬支度を本格的に始める頃でしょうか。
季節は寒露へと巡りました。
《二十四節気》のひとつ寒露(かんろ)は秋の節気、立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降の5番目の節気となります。

寒露とは、晩夏から初秋にかけて「冷たい露が草木に宿る」という意味を持っています。
寒暖差への備えと「食欲の秋」
寒露の時期は、朝晩の冷え込みと日中の穏やかな日差しとの寒暖差が大きくなります。
体調を崩しやすい季節の変わり目なので、羽織るものを用意したり、寝具を厚手のものに変えたりして、冷え対策をしっかり行いましょう。
そして、この時期は「食欲の秋」を存分に楽しめる季節です。
新米、栗、サツマイモ、キノコ類といった山の幸に加え、脂ののった秋鮭や秋鯖といった海の幸も旬を迎えます。
特に新米は、炊き立てのふっくらとした甘みが格別です。
これらの旬の食材を食卓に取り入れることで、季節の恵みを体いっぱいに感じることができます。



秋風が心地よく、ガーデニングにぴったりの季節になりましたね。
10月は、色鮮やかな紅葉や実りの収穫など、お庭で様々な楽しみを見つけられる時期です。
今回は、お庭で秋の風情を満喫するためのアイデアをご紹介します。
紅葉する木々で、季節の移り変わりを感じる
紅葉といえば、モミジやイチョウが代表的ですが、お庭でも手軽に紅葉を楽しめる樹木はたくさんあります。
赤や黄色に染まる葉は、お庭を華やかに彩り、見ている人の心を和ませてくれます。
ハナミズキ
春に白い可憐な花を咲かせるハナミズキは、秋になると鮮やかな赤紫色に紅葉します。
庭のシンボルツリーとしても人気です。
カツラ
丸い葉が特徴的なカツラは、黄色く紅葉します。
特に、葉が落ちる際にキャラメルのような甘い香りが漂うのが魅力です。
ナンキンハゼ
ひし形の面白い形の葉と、秋の美しい紅葉が見所です。
紅葉はオレンジから紫、赤など様々な色の変化が見られます。
ジューンベリー
春に白い花を咲かせ、初夏には甘酸っぱい赤い実がなり、秋には紅葉も楽しめます。
シンボルツリーや庭木として人気が高く、果実は生食のほかジャムや果実酒に加工されます。
お庭のスペースや日当たりに合わせて、ご家庭にぴったりの紅葉樹を選んでみませんか?
秋の味覚を収穫!家庭菜園・果樹のおススメ
10月は、夏に植えた野菜や果物が収穫の時期を迎えることが多く、家庭菜園の醍醐味を味わえます。
自分で育てた野菜は、格別の美味しさがありますよね。
サツマイモ
夏の間に育ったサツマイモは、10月が収穫のピークです。
土の中からゴロゴロ出てくるサツマイモを掘り出すのは、お子様にとっても楽しい体験になります。
他には、里芋、人参、じゃが芋、かぼちゃなどの根菜類や、チンゲン菜、キャベツ、ほうれん草などの葉物野菜、そら豆やスナップエンドウなどの豆類が収穫の時期を迎えます。
カキ
お庭にカキの木を植えれば、毎年秋の訪れをカキの収穫で感じられます。
最近ではご自宅で干し柿をつくる方も増えているようです。
柑橘類
レモンやユズの仲間は橙や黄色に色づき、収穫のシーズンを迎えます。
他にも、イチジクやカキ、ザクロ、ブドウ、キウイフルーツ、アケビなども収穫の時期となります。
庭に、この様な収穫できる果樹を植えたい人は、園芸店に苗木が並び始める頃ですので、探してみてはいかがでしょうか。
庭の恵みでじっくりと季節を感じる手しごとをする時間も五感が豊かになりそうですね。
おススメ!秋蒔き野菜・ハーブ
秋は日差しが穏やかになり、人も植物も過ごしやすくなるので、実は家庭菜園におすすめの季節です。
気候による失敗のリスクが少ないため、家庭菜園デビューに最適な季節なのです。
秋から冬に向かって気温が下がるにつれ、害虫による被害も少なくなるというメリットもあります。
さらに、秋に育つ野菜は、冬に備えてエネルギーを蓄えようとするために栄養価が高くなり、甘みが増し、比較的長く収穫期間を楽しめる野菜が多いのも特徴です。
播き時の野菜・ハーブ
(↑パクチーの種)
比較的育てやすく、この時期に種まきをするのにおすすめの野菜やハーブです。
ビーツ、春菊、ほうれん草、リーフレタス、小松菜、そら豆、イチゴ(苗)
パクチー、タイム、カモミール、チャイブなど
広い畑がなくても、省スペースで作業性の良い菜園をつくり、手軽に育てられる野菜もたくさんあります。
まずは、育てやすい野菜から始めてみてはいかがでしょうか。
来年に向けての計画時期
これからたくさんの種類の宿根草や球根、バラの大苗が出回り、チューリップやヒヤシンス、ムスカリなど早春に花が咲く秋植え球根が植えどきです。
紅葉が始まったら、植え付けるタイミングですので、新しく庭で育てたい球根を入手したり、苗を探したり、来年の庭の計画を立てていきましょう。
実は、この工程が最も楽しいことのひとつではないでしょうか。
プロと一緒に、四季を感じるお庭づくり
「どんな木を植えたらいいかわからない」「家庭菜園に挑戦したいけど、何を準備したらいいの?」など、お庭づくりには様々な疑問がつきものです。
IeNiwa工房はお庭のプロとして、お客様の理想やライフスタイルに寄り添ったプランをご提案、施工しています。
お庭に紅葉する木々を植えたり、収穫を自分のペースで楽しめる「いい塩梅」の菜園スペースを作ったり、四季の移り変わりを感じられるお庭づくりを一緒に始めてみませんか?
お庭のデザインや施工について、ご質問があればお気軽にお問い合わせください。
これまでの施工事例は、こちらからご覧いただけます。

秋も深まり、葉が色づきはじめると「そろそろ庭仕事もひと段落…」と思われがちですが、実はこの時期こそ庭木や植物にとって大切なタイミングです。
特に落葉前の剪定と植え替えは、庭の健康と来年の美しい景観を作るための重要な作業です。
1.なぜ「落葉前」が良いのか?
樹木の活動が緩やかになる時期
秋の終わりは、木々が休眠期に入る準備をしており、剪定によるダメージが少なくなります。
葉が落ちる前は枝の状態が分かりやすい
病害虫の被害枝や不要枝を見つけやすく、形を整えるのに適しています。
植え替え後のストレス軽減
植物が休眠に入るため、根の成長エネルギーを温存しやすく、新しい環境に馴染みやすくなります。
2.剪定のポイント
秋の剪定は、樹木の形を整え、風通しを良くして病害虫の発生を防ぐ目的があります。
・時期を見極める
多くの植物は、葉が落ち始めた頃が剪定に適しています。
ただし、サクラやモクレンのように春に花を咲かせる樹木は、花芽を切り落としてしまう可能性があるため、落葉後すぐの剪定は避けましょう。
・樹木の種類を調べる
常緑樹と落葉樹では、剪定の時期や方法が異なります。
例えば、ツツジやサツキなどの常緑樹は、夏以降に花芽が形成されるため、剪定は花後すぐに行うのが一般的です。
秋に剪定する場合は、軽い切り戻し程度に留めましょう。
・「間引き剪定」を意識する
密集した枝や内側に伸びる枝、枯れ枝などを根元から切り落とす「間引き剪定」が効果的です。
これにより、樹木の内部まで光が届き、健全な生長を促します。
・切り口のケア
剪定後は切り口保護剤を塗って病原菌侵入を防ぎましょう。
3.植え替えのポイント
春から夏にかけて生長した植物は、根が鉢いっぱいに張っていることがあります。
そのままにしておくと根詰まりを起こし、生育が悪くなるため、植え替えが必要になります。
・なぜ秋がいいの?
秋は気温が安定しており、植え替えのストレスから植物が回復しやすい時期です。
夏のような高温で根が傷む心配も少なく、冬の休眠期に入る前に新しい根を張る時間があります。
・植え替えのサイン
以下のサインを見つけたら植え替えをしてあげましょう。
・鉢底から根が出ている
・水やりをしても、水がすぐに鉢底から流れ出てしまう
・植物の生長が止まった、または葉の色が悪い
・植え替えの手順
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植え替えの数日前から水やりを控え、土を乾かし気味にする。
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鉢から植物を優しく抜き取る。
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古い土を3分の1から半分ほど落とし、黒く変色した根や傷んだ根を切り取る。
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一回り大きな鉢に新しい用土を入れて植え付ける。
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植え付け後はたっぷりと水を与える。
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4.作業後のメンテナンス
防寒対策として株元にマルチング(ワラやバークチップ)を施す
冬の乾燥から守るため、落葉後も土の状態を確認し適度に水やり
「落葉前の剪定・植え替え」は、庭を来年さらに美しく保つための準備期間です。
冬の間に植物たちがゆっくりと力を蓄え、春には元気な新芽を見せてくれます。
少し手間をかけるだけで、庭の印象はぐっと変わりますよ。
庭の剪定や植え替えはプロに依頼するのもおすすめ
高い場所の枝や太い枝の剪定、樹木の大きな植え替えは危険を伴いますので、十分に気を付けなくてはなりません。
庭施工の専門業者なら、美観と安全を両立した作業が可能ですので、相談してみるのもいいですね。
寒露の《七十二候》
初候:鴻雁来(こうがんきたる) 10月8日〜10月12日頃
次候:菊花開(きくのはなひらく) 10月13日〜10月17日頃
末候:蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり) 10月18日〜10月22日頃
《鴻雁来(こうがんきたる)》

ツバメが南国へ去った後に、北国から冬鳥たちがやってきます。
鴻(おおとり)はヒシクイやマガンなど大型の雁を指し、この時期、雁の群れが北から日本へと渡ってきます。
澄んだ秋の空に「V」字形を描きながら飛んでいく姿は、冬支度を始める日本の風景に、どこか旅情を誘います。
彼らはただ飛んでいるのではなく、群れの中で声をかけ合い、先頭を交代しながら、遥か遠くの目的地を目指しているそうです。
その統制の取れた様子は、自然界の知恵を感じさせます。
この時期は、ちょうど稲刈りが本格化する頃。
渡り鳥たちは、黄金色に染まった田んぼの上を飛び交い、秋の豊かな収穫を祝福しているかのようです。
《菊花開(きくのはなひらく)》
古来より、菊は長寿や繁栄の象徴とされ、「重陽の節句」では、菊の花を愛で、不老長寿を願って菊酒を飲む風習がありました。
清々しい香りと、気品ある花姿は、日本の秋に欠かせない存在です。
特に、この時期は空気が乾燥し、日差しも柔らかくなるため、菊の花が一段と美しく咲き誇ります。
花瓶に一輪挿すだけで、部屋の空気が清らかになったように感じられます。
かつて、菊の香りを移した綿で体を清める「菊の着せ綿」という風習もあったと言われており、日本の文化に深く根付いた花であることがわかります。
《蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)》

「蟋蟀(きりぎりす)」と聞くと、秋の虫の代表格であるコオロギを思い浮かべる方も多いでしょう。
この候の蟋蟀は、古くはキリギリスやコオロギ、スズムシなど、鳴く秋の虫の総称でした。
彼らは、厳しい寒さを避けるため、戸口や軒下といった家の近くにまで寄ってきて、最後の鳴き声を響かせます。
この小さな鳴き声は、私たちに冬の訪れを知らせてくれます。
日中は温かいものの、朝晩の冷え込みが厳しくなり、冬の気配がすぐそこまで来ていることを、彼らの鳴き声がそっと伝えているのです。
自然の移り変わりを肌で感じるだけでなく、耳でも感じられる。それが、この候の持つ趣深さです。