2月に入り、季節はそろそろ「立春」へと巡ります。
今回は、立春の前日「節分」についてのお話もご紹介するため、少し早いのですが、「IeNiwa季節めくり」Vol.3/No.3 睦月/2月《立春》をお届けいたします。
《二十四節気》のひとつ立春(りっしゅん)は春の節気、立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨の最初の節気でもあり、二十四節気の1年の始まりでもあります。
寒いながらも、日はだんだんと長くなり、初めて春の兆しが表れてくる頃です。
草木が芽吹き、花が咲き、多くの動物たちが活動を始める、命の躍動を感じる季節となります。
【IeNiwa時間①~歳時にまつわるお話~】
■魔除けを玄関に!~「鬼は外、福は内」✨節分を彩る「柊鰯(ひいらぎいわし)」の意味と飾り方~

立春の前日にあるのが「節分」です。
節分といえば「豆まき」が有名ですが、玄関先にトゲのある植物と焼いた魚の頭を飾る「柊鰯(ひいらぎいわし)」という古い魔除けの習慣をご存知でしょうか?
邪気を払い、福を招く日本の伝統的な飾り「柊鰯」の深い意味と、ご自宅でも簡単にできる飾り方をご紹介します。
新しい季節を気持ちよく迎えるためにも、ぜひ今年の節分に取り入れてみませんか。
〈節分とは?~なぜ魔除けが必要なのか~〉

1. 節分が持つ本来の意味
節分とは本来、「季節を分ける」という意味で、立春、立夏、立秋、立冬のそれぞれの前日を指していました。
古来より日本では一年の始まりである「立春の前日」が特に重要視され、厳しい寒さから暖かい季節に移り変わることから、特別にめでたい日でもありました。
2. 豆まきと柊鰯の役割
旧年と新年の境目にあたるこの日には、邪気(鬼)が生じやすいと考えられており、先人たちは目に見えない病気や災害を鬼(邪気)に例えて、それを追い払うための儀式として豆まきをおこなっていました。
そして、豆まきと並んで重要な魔除けの役割を担うのが、玄関に飾る「柊鰯」です。
これは「鬼を家の中に入れない」ための、いわば外構のガードマンのような役割を果たします。
〈柊鰯に込められた、先人の知恵〉

柊鰯は、「柊の枝」と「焼いた鰯の頭」を組み合わせた、非常にユニークな飾りです。
なぜ、この組み合わせが鬼を遠ざけると信じられてきたのでしょうか。
・柊(ひいらぎ):葉の鋭いトゲが、家に入ろうとする鬼の目を突き刺す、または鬼が嫌がり近づけなくする効果があるといわれます。
・焼いた鰯の頭:鰯を焼く時に出る強烈な臭い(煙)が、鬼が最も嫌うものとされており、その臭いで鬼を家から遠ざけます。
この二重の防御で、外部から家へと侵入してくる邪気を強力にブロックしようという、先人の知恵が詰まった伝統的なしつらえなのです。
〈柊鰯の簡単な作り方と飾り方〉
準備するもの
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柊の枝(葉がついているもの)
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鰯の頭(食べ終わった後のものでも可)
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竹串、またはワイヤー
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紐(吊るす用)
作る手順
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鰯を焼く: 鰯の頭(または魚体)を、グリルやコンロでしっかりと焼きます。少し焦げ目がつくくらいが、臭いが強くなり効果的です。
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刺す: 焼いた鰯の頭を、竹串やワイヤーを使って柊の枝にしっかりと刺し固定します。
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飾る: 完成した柊鰯を紐でくくり、玄関の扉や軒先、門柱など、外部から福を招き入れる入口に飾ります。

飾る期間の目安
節分の日から、立春を過ぎた後(2~3日)まで飾るのが一般的です。
役目を終えた飾りは、地域の神社やお寺でお焚き上げをしてもらうと良いでしょう。

【IeNiwa時間②~庭の植物を活用した暮らしの知恵や手しごと~】

■庭の柑橘でつくる天然ワックス活用術!
まだまだ寒い日が続きますが、お庭の草木も静かに春の準備を始めていますね。
さて、この時期、お庭でたわわに実って、その恵みを堪能できるものといえば、やはり🍊柑橘類!
美味しくいただいた後の「皮」は、そのまま捨ててしまってはもったいない、素晴らしい天然の資源なんです。
今回は、この柑橘の皮に含まれる天然成分を利用した、「お家と家具に優しい天然ワックス」の作り方と活用法をご紹介します!
〈柑橘の皮が持つ驚きの力!〉

柑橘の皮には、主に以下の二つの有効成分が豊富に含まれています。
リモネン
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柑橘特有のさわやかな香りの元。
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天然の油分を分解する作用(脱脂作用)があり、汚れ落としに優れています。
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木材や床の表面に美しいツヤを与えます。
クエン酸
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酸の力で、水垢や石鹸カスなどのアルカリ性の汚れを中和して落としやすくします。
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除菌・消臭効果も期待できます。
この天然の力を最大限に活かして、環境にも人にも優しい天然ワックスを作ってみましょう!
〈庭の柑橘で作る天然ワックスの作り方〉

ここでは、フローリングや木製家具の保護・ツヤ出しに使える、簡単なワックスの作り方をご紹介します。
準備するもの
・柑橘の皮(外側の黄色い部分):みかん5~6個分
レモン、ゆず、八朔など何でもOK。
白い部分は取り除くときれいに仕上がります。
みかんの皮には農薬やワックスが付着している可能性があるため、使用前に湯通ししたり、重曹水で洗ったりして落とすことをおすすめします。
・無水エタノール:100ml
薬局などで手に入ります。消毒用エタノールでも代用可ですが、無水の方がより成分を抽出できます。
・遮光瓶または密閉容器:200ml程度

作り方:柑橘オイルの抽出
1. 柑橘の皮を細かく刻みます。(細かく刻むほど、成分が早く抽出されます。)
2. 容器に刻んだ皮を入れ、ひたひたになるまで無水エタノールを注ぎます。
3.蓋を閉め、冷暗所で1週間~10日間ほど放置します。時々容器を軽く振ると抽出が促されます。オレンジ色に変化したらできあがりです。
4. キッチンペーパーやコーヒーフィルターで皮を取り除き、液体を別の保存瓶に移せば「柑橘オイル(リモネン抽出液)」の完成です!
この柑橘オイルだけでも、そのままスプレーして布で拭き取れば、簡単な油汚れ落としや除菌スプレーとして活用できます。
畳に使用する場合は、スプレーではなく固く絞った布で拭くようにすると、水分による負担を防げます。
2週間を目処に使い切りましょう。
〈天然ワックス(床・家具用)の仕上げ方〉

抽出した柑橘オイルと「蜜蝋(みつろう)」を混ぜ合わせることで、木材に浸透して保護する、本格的な天然ワックスになります。
材料
・柑橘オイル(上記で作ったもの):50ml
・蜜蝋(ブロックまたは粒状):10~15g (自然素材のお店やネットで購入できます。)
・ホホバオイルまたはオリーブオイル(植物オイル):10ml (塗りやすくするため。入れなくても可。)

作り方
1. 耐熱容器に蜜蝋、柑橘オイル、植物オイルを入れ、湯煎(または電子レンジの低温)で蜜蝋が完全に溶けるまで温めます。
2.溶けたら火から外し、冷えて固まり始めるまでよくかき混ぜます。
3.清潔な保存容器に移し、完全に冷ませば天然蜜蝋ワックスの完成です!
〈活用法~優しく磨いてお家を快適に~〉

完成したワックスは、布やスポンジにごく少量取り、フローリングや木製家具に薄く塗り伸ばすように使います。
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床・フローリング:傷防止とツヤ出しに。少量でよく伸びるので、塗りすぎに注意しましょう。
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木製家具・建具:乾燥を防ぎ、自然なツヤと撥水性を与えます。
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革製品:靴やバッグなどの革にも少量なら使えます。(目立たない場所で試してからご使用ください)
爽やかな柑橘の香りが広がり、お掃除中もリフレッシュできますよ。
庭で育った柑橘の皮が、こんなにも暮らしに役立つアイテムに変わるなんて素敵ですよね。
捨ててしまうものに命を吹き込む「柑橘 皮 活用」は、サステナブルな暮らしにもつながります。
立春のこの時期、ぜひ皆さまも庭の恵みを無駄なく活用して、気持ちの良い住まい空間づくりを楽しんでください。
IeNiwa工房では、お庭の恵みを楽しむためのデザインや、家と庭をつなぐ暮らしの提案をしています。
お気軽にご相談ください。
立春の《七十二候》
初候:東風解凍(はるかぜこおりをとく) 2月4日〜2月8日頃
次候:黄鴬睍睆(うぐいすなく) 2月9日〜2月14日頃
末候:魚上氷(うおこおりをいずる) 2月14日〜2月18日頃





















