txtH1

リフォーム・リノベーション相陽建設 IeNiwa工房

  • 0120-37-2460
  • 資料請求お問い合わせ・資料請求

IeNiwaStyle 広報ブログ

2024.11.07

「IeNiwa 季節めくり」ことはじめ Vol.1/No.1

「IeNiwa 季節めくり」について

 

秋雨の日々が過ぎたかと思えば、いつの間にか冬の足音が聞こえてきましたね。

季節は立冬を迎えました。

これから毎月2回(二十四節気の日)、季節を感じるモノやコト、日本という風土に昔から伝わる先人たちの自然との対話から生まれた知恵などを、ふと思い出して暮らしの中(「家」と「庭」=「IeNiwa」)で、実際に感じていただけるようなお便りをお届けしていきたいと思います。

 

「日めくりカレンダー」ならぬ、季節のめぐりを知る「季節めくり」です。

 

日々めまぐるしく過ぎゆく時間の中で、そんな季節のめぐりにふと気持ちを留めてみると、何か小さな変化に気付いてはっとしたり、心がゆるんだりすることがあります。

少しでもそのきっかけとなるお手伝いができたらいいな、と。

 

 

 まずことはじめ(Vol.1)として、季節のめぐりを語るには欠かせない旧暦についてのお話から始めさせていただきますね。

 

日本は四季の移ろいが鮮やかな国ですね。 遠い昔から日本人は季節ごとに移ろう自然の美しさに魅せられてきました。

 

日本には、春夏秋冬の四季だけでなく、二十四節気という季節、七十二候などの季節があるのをご存知ですか?

 

 

二十四節気や七十二候は旧暦と密接な関わりを持つもので、旧暦で暮らしていた時代には、人びとは季節の移ろいを細やかに感じ取り、寄り添ってきました。

 

日々の暮らしの中で、野花の美しさに目をとめ、鳥たちのさえずりに耳を澄ませ、虫たちの動きに気づき、葉色の移ろいにはっとさせられる瞬間ごとに、時の流れや季節感を体感したのでしょう。

 

 

時期折々のお祭りや年中行事、二十四節気、七十二候を紐解いていくと自然の巡りとその恵に感謝し、毎日を大切に暮らして来た先人たちの姿が見えてきます。

 

季節ごとの風物詩を楽しんで、旬のものを味わい、自然の流れに寄り添う暮らしは、「便利さ」とは程遠い時代だったかもしれませんが、身体も心も豊かであったことでしょうね。

まさしくそれは、今の時代にこそ大切なものではないでしょうか。

 

 

忙しなく動き続ける現代で、旧暦を知り、長い時を経た今にも伝わるいわれの意味などをより深く理解することで、少し立ち止まって、気付き、自分と自然との繋がりを体感して、豊かな感性が呼び起こされるかもしれません。

 

「アンテナ感度を良好にする」

そんなイメージですw

 

いきなり旧暦や二十四節気、七十二候などという話から入ってしまいましたが、そもそも暦とはなんでしょう。

本日は、まずこの暦についてお話をさせて頂きたいと思います。

 

—————————————————————-

 

「暦」とは?

 

いわゆる現代で言う「カレンダー」のことです。

広くは、時間の流れを知るために、太陽や、月の動きをもとに年月日を定める方法の仕組みです。

具体的には、年間の月日(曜日)、その日に関わる祝祭・行事や節気、更には日の出・日の入り、月の満ち欠け、潮の満ち引き(に加えて日の吉凶まで)を、日を追って一覧できる形に仕立てた表や書物のことをいいます。

 

最近では、これらを詳しく掲載した手帳などもよく見るようになりました。

目まぐるしい現代の時間の流れの中に、自然の時間の流れを意識しようとする人が増えている、ということかもしれませんね。

 

 

—————————————————————-

 

「旧暦」と「新暦」 暦には大きく分けて3つあります。

 

①月の満ち欠けをもとにした「太陰暦」

②太陽の運行をもとにした「太陽暦」

③太陽と月の両方を取り入れた「太陰太陽暦」

 

 

その中で、現在私たちが使用している暦は明治5年に導入された②の「太陽暦(グレゴリオ暦)」(新暦)です。

地球が太陽をひと回りする周期を1年とするもので、季節の流れに忠実です。 それまでは月の満ち欠けを基準として、季節とのずれが無いように太陽の動きも考慮した③の「太陰太陽暦」が使われていました。

 

改暦が行われたその時代は明治維新後で、日本は海外との交流が活発になっていったので、世界の基準に合わせる必要があったというのが最も大きな理由です。

 

その改暦される前の「太陰太陽暦」を一般的には「旧暦」、「太陽暦」を「新暦」と呼んでいるのです。

旧暦である「太陰太陽暦」の1日は地球の自転、1か月は月の満ち欠けを単位としています。

月の満ち欠けでは、新月(朔)を1日とし、月の中頃に満月(望)となり、再び新月になると1か月、これを12回巡ると1年です。

 

 

ですが、新月から新月までの1か月は平均29.5日で、1年が354日。 太陽の動きを基準とする1年365日より11日短くなるので実際に体感する季節とのずれが出てきてしまいます。

 

そのために、約3年に1度「閏月(うるうづき)」というものを設けて1年を13か月にして太陽の動きに合うように調整していました。

なんだか、少しのんびりとした感じがして面白いですね。

 

旧暦から新暦へとなった旧暦の明治5年12月3日は、閏月のある年でした。

この日が新暦の明治6年1月1日になったため、およそ1か月季節が早くなってずれが生じ、そのまま新暦にあてはめると、季節感が違ってしまうことがよくあるのです。

 

旧暦当時の農家の人びとにとって、何月何日が1年の始まり、ということや、今日が何月何日ということが、日々の暮らしの中で気になる点ではなく、大地の恵みをいかに大切に育んで暮らしていくかが重要だったのです。

 

草花の咲く頃、虫の声、渡り鳥の様子などで季節を感じて、自然に即して仕事をするために、暦と実際の季節とのずれを補正するべく、二十四節気(にじゅうしせっき)や七十二候(しちじゅうにこう)というものを使って目安にしていたのでした。

 

 

二十四節気とは、約365日が1周期である太陽の動きを24等分に区切り、季節と連動した名前をつけたものです。

七十二候はさらにそれを3つに分けたものです。

 

これらは、知識としての暦ではなく、目で見たもの、耳で聞いた音、舌で味わったものなど、五感で感じる季節を表しています。

 

この二十四節気や七十二候と関わりを持つ旧暦が用いられなくなったことで、自然を意識する機会が減ってしまったといっても、過言ではないかもしれません。

時代が変わろうとも、自然に癒されること、先人たちの育んだならわしやいわれが心地よく感じること、懐かしいことなどは日本人である私たちの根底にあるものです。

 

これから、どんなに世の中が変わっても、不変で残るものはあるはずです。

「昔ながら」を知り、それをリスペクトしながら工夫をして変容していけたら、そこにまた、新しいならわしやいわれが生まれて、受け継がれていくのかもしれません。

 

他にも、日本での季節の移り変わりをより的確につかむために先人たちの暮らしから生まれた「雑節」や、伝統的な年中行事を行う季節の節目である「五節句」といったものもありますが、それぞれの詳細は、また追って詳しくお話したいと思います。

 

 

こうして暦について知っただけで、なんとなく「アンテナ感度を良好にする」ことができて、日々の楽しみがほんの少し増えるように思えてきませんか?

 

そもそも、暦を知ること自体が大切ということではなく、日常の中で体感する虫や鳥の動きや声、風や雨の様子、そうしたものに気付き、そこから知る季節の変化や知恵、それらが暮らしにもたらすものが大切なのかもしれません。

 

今回は、ここまでにしたいと思いますが、これから何回かに分けて、もう少し暦にまつわるお話をしてから、その時期の季節について季節ごとにお話していけたらと思っています。