前回の「IeNiwa 季節めくり」は、「暦」についてご紹介をしましたが、本日は旧暦と深く関わりを持つ二十四節気(にじゅうしせっき)と七十二候(しちじゅうにこう)について少し詳しくお届けします。
これらを知ると、「五感のアンテナ感度」が高まって、日々の季節の移り変わりに気づく事ができたり、思いが外の自然の営みへと向かう気がします。
日々の目まぐるしく流れる時間の中で、目の前のことだけでなく、少しでも何かに“思いを馳せる”ということは、心を豊かにしてくれるのかもしれません。
「二十四節気」(にじゅうしせっき)って何?
ご存知の通り、太陽の傾きは暑さ寒さに影響し、月の巡りは潮の満ち引きや大潮小潮をもたらします。
私たち人を含む動植物は、これらの変化に合わせて日々を営んでいるので、暦はただ単に日付を追うだけのものではなく、生きるための指標でもあると言われています。
そこで先人たちは、1年の「長さが正確」な暦より、1年の「区切り」の目安を求め、古代中国で考案された「二十四節気」を暦に取り入れたのです。
二十四節気は、約365日が1周期である太陽の動きを24等分に区切り、名前をつけたものです。
具体的には、太陽が真東からのぼって真西にしずむ(昼と夜が同じ長さになる)「春分」と「秋分」、1年で昼が最も長い「夏至」と、夜が最も長い「冬至」の4つの季節(二至二分・にしにぶん)を基にして四季を6等分、つまり1年を24等分です。
ひとつの区切りを「節気」といい、ひとつの節気は、約2週間であると覚えるとわかり易いですね。
それぞれ、その期間の自然の変化を象徴する呼び名がつけれられています。
季節が徐々に移ろう様子が、自然の営みと関連付けられたのものなので、体感的に馴染みやすく、多くの人々に受け入れられてきました。
旧暦を用いていた頃の日本では、この二十四節気を目安に季節を数え、農作業を行い、食を摂り、自然の摂理に沿って体を整えていたのです。
そして、なんと!
千年以上もの間使用されてきたのです。
ですから、この暦は日本人の生活様式にしっかりと根付いているもなのですね。
春
立春(りっしゅん)2/4頃~
雨水(うすい)2/19頃~
啓蟄(けいちつ)3/5頃~
春分(しゅんぶん)3/20頃~
清明(せいめい)4/4頃~
穀雨(こくう)4/19頃~
夏
立夏(りっか)5/5頃~
小満(しょうまん)5/20頃~
芒種(ぼうしゅ)6/5頃~
夏至(げし)6/21頃~
小暑(しょうしょ)7/7頃~
大暑(たいしょ)7/22頃~
秋
立秋(りっしゅう)8/7頃~
処暑(しょしょ)8/23頃~
白露(はくろ)9/7頃~
秋分(しゅうぶん)9/22頃~
寒露(かんろ)10/8頃~
霜降(そうこう)10/23頃~
冬
立冬(りっとう)11/7頃~
小雪(しょうせつ)11/22頃~
大雪(たいせつ)12/7頃~
冬至(とうじ)12/21頃~
小寒(しょうかん)1/6頃~
大寒(だいかん)1/20頃~
「七十二候」(しちじゅうにこう)って何?
二十四節気の2週間を、さらに3つに分けたものが「七十二候」です。
つまり、ひとつの候は約5日間となります。
特徴としては、その約5日間の季節ごとの気象・自然・動植物などの変化を表す名称がついているので、季節による自然の営みが、より具体的に感じられることです。
その特徴から日常生活の目安とされてきました。
この七十二候をリアルタイムで追っていると、部屋の中では感じることのできない自然の営みが目に浮かぶようで、五感が刺激されて少し楽しい気分にもなります。
例えば、二十四節気1節気「立春」の次項(二候)
黄鶯見睆(うぐいすなく)は、「鶯が山里で鳴きはじめるころ」という意味があり、春のはじまりを「鳥の声」、聴覚で感じることができます。
特に、虫や鳥の動きはよく出てくるので、草むらの中や空の上の様子を想像して、始めは「この時期にそんなことが起きてるんだ」と思うようになり、更には、七十二候を知ることで「あ、今年も虫が顔を出す、あの季節がやってきたのね。もう春はそこまで来てる!」と、季節の巡りを、自然から感じられるようになります。
二十四節気や七十二候の各季節の詳細については、「IeNiwa 季節めくりことはじめ Vol.1」にて季節についてのお便りを全てお届けできましたら、その後はリアルタイムで、その季節ごとにまとめて、「IeNiwa 季節めくりVol.2」として、ブログをお届けしたいと思っていますので、毎月の更新をお楽しみください。