先日、まさに旬の食材『銀杏』をいただきました。
学生の頃、かなり自由な風潮だった大学の構内で、誰が言い出したともなく、秋になると大きなイチョウの木の下で銀杏を拾って炒ったり、
さんまを市場で箱買いしてきて網で焼いたり、落ち葉を集めてさつま芋を焼いたりして楽しんでいたのを久しぶりに思い出しました。
今思えば、旬の食材で何かと『パーティー!』と盛り上がっていたのは、なんと贅沢なことだったんだと当時の我が身を羨むばかりです。
旬は季節やその時期を思い起こさせる力もあるんですね。
今回は、すでに銀杏最大の難所、『果肉を洗う』という工程がすでに終わった、美しく白く輝く殻つき銀杏の姿でいただいたので、あとは炒って食すのみ!
というなんとも有難い旬の恵み。
学生の頃は、ひとつひとつカナヅチで殻に割れ目を入れ、フライパンで炒って食べていましたが、今では電子レンジで手軽な方法があると教えて頂き、早速トライ。
少し、おっかなびっくりの作業でしたが、とても美味しく、なつかしい記憶と共に、瞬く間に家族で完食しました!
せっかくなので、ここでは銀杏拾いから、簡単でシンプルに美味しくいただくまでの方法を簡単にご説明いたします!
1.
地面に落ちた実を拾ったら、果肉を腐らせると種が取り出し易くなるので、バケツ等に入れて果肉を腐らせます。
その後、流水でよく洗いながら中の種を取出します。
(銀杏の果肉は匂いがきつく、果肉の油脂で手が荒れます。ゴム手袋などを使用して皮膚に果肉がつかないようにしましょう。)
2.
取り出した銀杏の種を何日もかけ天日に干して、じっくりと乾燥します。
殻の色が真っ白になった頃が目安です。2、3個割ってみて中に水分がなければ大丈夫です。
3.
紙の封筒に殻付きの銀杏と塩適量を入れ、封筒の口を折り畳みます。2~3回折り曲げましたが、途中でどんどん開いてくるので、角を三角に折り曲げてみました。
封筒は、あまり薄いと銀杏がはじけた時に破れる可能性もありますので、厚めのものを使用します。
4.
1回に15粒程度で、500wで50~60秒電子レンジにかけます。(30粒なら、2度に分けてください)
銀杏の殻がパンパンと弾ける音が2~3回したらレンジを止め、封筒をシャカシャカ振って塩と馴染ませて出来上がり!
だいたい殻にヒビが入るか、割れているので、渋皮までつるりと剥けます。
透明感のあるエメラルドのような美しい緑色と、ぷりぷり弾力のある美味しい旬の味が楽しめます!
いくつか、爆発して割れてしまっている場合もあるかと思いますが、時間短縮、簡単調理方法なので、お試しください。
漢方では古来よりせき止めや、膀胱の括約筋を強くする効果から夜尿症・頻尿の改善に使われていて、 良質のタンパク質はコレステロールを減らし、
滋養強壮にも効果があるなど様々な薬効があるとされてきました。
一方で、銀杏には神経に働くビタミンB6の作用を妨げる中毒物質が含まれていて、食べ過ぎると痙攣などの中毒が起きることがあります。
大人は肝臓に解毒する酵素を持っていますが、幼児は解毒能力が発達していないため中毒になりやすいので特にご注意いください!
銀杏は殻付きのまま置いておくと、中の実がどんどん萎んでシワシワになり、春頃になると汁が滲んで案外早く傷んでしまいます。
使い切れない分は、プリプリと実に張り艶があるうちに冷凍保存するのをお薦めします。
①ひたひたくらいの水に塩を軽くひとつまみ入れて沸騰させます。
殻をむいた銀杏の実を入れ、おたまの背でコロコロ転がしながら薄皮をむき、透きとおってくるまで数分間茹でます。
(1割くらいは非常にしぶとい皮があるので、おたまで薄皮を全部むくことは出来ません)
②水を入れたボールに上げ、取り切れなかった薄皮を手で剥きます。
③1回で使い切る分量を小分けにしてラップで包み、フリーザーパックに詰めて冷凍保存。